悲劇の究極は喜劇?
 『反射人間第一号』は感慨深い作品である。仏陀電影作品で唯一、予告編しか完成していない作品ということもあるが、、キャラクターとしての反射人間がずいぶん多くの作品で顔を出しているという点で特徴的だ。もとは仲間内のバカ話から始まった企画であるが、設定のインパクトの大きさは仏陀電影中で一番大きい。
 −不幸な事故で頭部を轢断された工員・オカダがなくした頭部に生命維持装置を組みこんだ儀頭を移植されてサイボーグとなり、世間にさまよい出て事件を起こしていく‥ー
 自由意志を持たないものが主人公という一風変わった企画、物語の視点は主人公をとりまく周囲の不幸に向いている。仏陀電影版”特捜最前線”を目指した企画はどんどん不幸をエスカレートさせて描かれていった。

 【究極の不幸は喜劇】をスローガンに、不幸な場面を考え出す。

 不審者の深夜徘徊事件を捜査する県警の刑事二人、その刑事に疑惑を掛けられる工員オカダの女房、オカダを改造したマッドサイエンティスト‥この三者を主軸にストーリーは作られると仮定して、予告編は制作された。
 その後の正編ではこれに臓器密売組織”肝属組”がからんだ展開となっている。
『反射人間第一号【予告編】』撮影の思ひで 
 冒頭の襲われる若い娘のシーンは花園大学の構内である。夜間に出入り自由であった1987年当時は実にいい撮影場所であった。また工員オカダが列車事故に遭う現場は、今はなき旧山陰本線の保津峡駅でロケを行った。最終列車が出てから撮影していたが、突然列車が来たときには全員が肝をつぶした。(貨物列車が通過したのであった。)刑事の捜査シーンは大阪市内の本町交差点。真夏の日曜日であったが、とにっかく暑かった。
 オカダの妻が刑事に詰問されるシーンは改装前の扇町公園。
 そして唯一の特撮シーンは某大学構内のグランドで撮影された。
この博士の研究所の模型は例によって房田プロデューサーによって制作されたもので、厚紙とスチレンボードで出来ている。
 爆破技術も進歩して、前作ブッダマンの導火線点火から電気着火方式に変更され、信頼性が大幅に向上した。
 
○反射人間第一号(予告編) スタッフ・キャスト

反射人間・オカダ    斎藤 勝
妻            霜下朱美
博士           島上 亨
刑事A          鈴木洋一郎
刑事B          西川隆弥
ナレーション       栗田俊幸

脚本・監督       向井智司

制作          房田泰治
             鈴木洋一郎
             西川隆弥
撮影/編集      向井智司
模型          房田泰治
特撮          北大和特撮研究所

制作・著作       仏陀電影
●使用カメラ=FUJICAnewZC1000