ブッダマンのメーキング写真を公開中!
8mm特撮映画の始まり。
 『始まりは1983年に花園大学という京都の西に位置する小さな大学の学生会館で交わされた些細な冗談話からであった。この大学にはこの作品が生まれるために必要だった人間がすべて在籍していた。原作者の西川、監督の向井、そして当時はまだアマチュアであった「おかげ様ブラザーズ」のきんたミーノやトミー、鉄心などの人間が同時期に在籍していたのである。監督の向井と製作担当の房田が原作の西川から聞かされた冗談話、それこそが『仏教戦隊ブッダマン』であった。映画研究会を退部し、映画を撮りたくてうずうずしていた向井はこの面白い原作にイチモニモナク飛びついた。かくして製作の房田や、友人であった鈴木らを巻き込んで8mm特撮作品の制作が始まったのである。
盛夏の撮影。
1984年の盛夏、夏休みに突入した花園大学の学生会館会議室でブッダマンはクランクインした。
 時は8月、室内温度40度を越える暑さの中で暗幕を窓に張りつけて換気をさえぎり、黒バックでまずブッダマン側の組織ブッダサービスの長官室のシーンからスタート。(長官の名は無我乃境地である)ワンカット撮影しては全員が外に避難して息を継いだ。外は35度の猛暑だったが、室内より涼しく感じたものだ。
 
そして次は本編最大のヤマ場で、敵の宇宙宗教法人ブラックゴッドの本拠・宗教大魔艦”テンシュドー”の内部セット撮影である。前述の会議室を一週間の間24時間完全貸切でセットを組み上げ、撮影した。その間、もちろん関係者以外は立ち入り禁止とした。学生運動の残滓とも言うべき学生自治会による自主管理であったからこそ可能であった暴挙である。なんと使用料はゼロ円。電源も使い放題。あげくのはてに屋外の立て看板用のベニヤ板も無断で借用してセットの構成材に使用した。仏陀電影では今に至ってもあれほどの本編セットを組んだ撮影は行われていない。それほど贅沢で大掛かりなものであった。
お寺で撮影。
 屋外ロケも仏教系大学である花園大学の特色があふれるものであった。ブッダマンの主役が出会うシーンの撮影は京都の妙心寺境内で行われた。無論、無断撮影である。学生の身にはそこは大学の母体(妙心寺が出資して設立したのが花園大学)の寺の中であり、キャンパスの延長上であった。
 まことに世間知らずの無鉄砲の強みである。

▽ブッダロボ(大仏教戦艦ダイガラン変形後)
全長190メートル
自重8,051トン
主動力:信仰エネルギー転換炉×2
出力:最大800万馬力×2










『仏教戦隊ブッダマン』の物語設定 
 198X年、地球は未曾有の危機に瀕していた。銀河系宇宙を着々と傘下に収めてきた恐怖の宇宙宗教法人『ブラックゴッド』がついに太陽系に侵入し、地球に対して宗教侵略をかけてきたからである。この危機に際して、すでに20年も前からこの事態を予想して備えてきた一団が京都にあった。ある禅宗系寺院を中心とした特殊武装宗教防衛組織『ブッダ・サービス』である。
 恐るべきブラックゴッドの改宗攻撃「廃仏毀釈作戦」に対して、ついに起ちあがった3人の若き仏教徒!彼らこそ、ブッダ・サービスの切り札・信仰防衛の最後の砦、仏教戦隊ブッダマンなのだ!
キャスト一覧
■ サトリ・ヒラク  
 ブッダレッドに変身する。修行による悟りを求めて精進している熱血漢。変身後の得意技は”数珠ヌンチャク”と”フジカ・ソード”
■ ショコク・メグル 
 ブッダ・ブラックに変身する。諸国を巡礼しながら悪を退治してきた修行者。変身後の得意技は”お釈迦バスター”
■ ジアイ・ミチル
 ブッダ・パープルに変身する。無我乃境地の養女。仏の慈悲を実践すべく日々恵まれない身の上の人々の厚生に尽力している。変身後の得意技は”梵天カッター”
■ 無我乃境地  
 ブッダサービスの長官。偉大な宗教者にして世界的なロボット工学の権威。
大仏教戦艦ダイガランは彼の設計である。長年の夢であった仏教戦隊を組織する。
■ 帝王パパ  
 宇宙宗教法人ブラックゴッドの支配者。銀河の半分の惑星を宗教的に支配する大法王である。全宇宙を己が手に治めんとしている。年齢900万歳。
■ デスザビエル将軍
 ブラックゴッドの実戦部隊指揮官。帝王パパに心酔するパプテスマ遊星人。その熱意に比べて指揮能力は著しく劣るのが難点。
■ ドクター・マリアー
 ブラックゴッドの参謀。実戦部隊は持たないが、その指導力はデスザビエル将軍を上回る。異次元宗教時空”イエズス界”発生マシンを操作する。
■ バイブル・ビースト

 デスザビエル将軍配下の宗教獣。頭部が新約聖書になっている。聖書に化けて近づく人を無理やり改宗させる”突然布教攻撃”が得意技。
 廃仏毀釈作戦を指揮する。
『仏教戦隊ブッダマン』の主要メカ設定
大仏教戦艦ダイガラン⇒画像
 ブッダマンの最大の武器。無我乃境地・工学博士設計の傑作艦。戦闘ロボット”ブッダロボ”に変形する。動力源は1千万信徒の信仰エネルギー。装備重量8051トンを超える重量を自在に動かし、数々の兵器を稼動することが出来る。本編には登場しないが内部には88人の僧侶が勤務しており、各部に設けられた信仰エネルギー受信装置の調整を行っている。ブッダロボ変形後は極めて危険性が増大するが、志願僧たる彼らはいつでも信仰に殉じる覚悟である。
宗教大魔艦テンシュドー画像
 ブラックゴッドの本拠であり、帝王パパの座上する超巨大戦艦。全長は7800メートル、重量10億トン。動力源は異次元宗教時空イエズス界から供給される転びバテレンの怨念エネルギーである。デスクロス型布教戦艦などの艦艇を多数搭載している。
ブッダマンの特撮
 熱意と人手はあるが造形技術も資金もない学生映画ならば、本編だけで挫折していた可能性がある特撮映画。最悪の場合はいかにもチープないいかげんな特撮シーンをでっちあげて終わることだって考えられるが、仲間内一番のモデラー、プロデューサー房田氏(すでに社会人だった。)の尽力で次々とすばらしい特撮用模型が作られていった。とくにテンシュドーの撮影模型の出来のよさは彼抜きには考えられないことである。(艦首にダビデの星をあしらった超巨大戦艦テンシュドー。艦中央部にイエズス界発生マシンを装備する)
 そしてそのすべてが紙製なのであり、ブッダロボやバイブルビースト、ダイガランなどほとんどが彼の手によるものであった。
 そしてこれまた懸案の光学合成は原始的な二重露光と、その発展型のエディターを利用した切り張りマスクによる作画合成を行っている。
 CGの使える現在ならばどうということはない光線の合成なども、当時はアナログ作業しか方法はなく、ネガの存在しない
8mmFILMではとにかく根気の要る作業を続けるしかなかったのである。


ブッダマン予告編
ブッダマン主題歌の事情
 「仏教戦隊ブッダマン」の主題歌はメジャーレーベルのレコード会社から発売された『おかげ様ブラザーズ』のCDアルバム「×―GUN」に収録されていることから、その唄をネタに私たちが作品を制作したと思われていることが多いが、実際は我々に主題歌制作を依頼された『トミーとみーの&かねてつおかげ様ブラザーズ』(メジャーデビューの数年前、インディーズ時代のかれらの正式名称)が、映画の設定を元にして書いた曲である。 実は仏陀電影の主要スタッフと彼らとは同じ大学に在籍しており、交友関係があったために成立した話で、1984年のクランクイン頃に依頼し、その年の学園祭には曲が完成して彼らの出演した学園祭ライブではブッダマンの着ぐるみを着た本物の3人が参加して盛り上げたりしていた。後日、曲だけが彼らのオリジナルのように扱われて別のブッダマンの映像を彼らが作ったりしたために仏陀電影ともめることになったが、結局は当時の記録が証拠としてこちらにあったために、おかげさまブラザーズは以後いっさい公共の場(コンサート・TV等)での『ブッダマン』の演奏はしないということで決着した。(通常の自主映画では著作権の発生した正式な日付が明確な証拠として残っていることはまずないことから、これは薄氷の勝利であったと言える。証拠がなかったら逆撃を受けて、こちらが「ブッダマン」の曲を使用禁止されていたことだろう。)しかしそんなことも2006年現在ではどうでもよい過去のことになりつつある。

●1987年よみうりテレビ『CINEMAだいすき!8mmFILMフェスティバル』でオンエア。
●使用カメラ=FUJICAnewZC1000

1986年度作品 シングル8 カラー 18分 モノラル。
監督:向井智司.原作:西川隆弥.製作:房田泰冶.鈴木洋一郎
出演:島上 亨、西川隆弥、福原和美、斎藤 勝、猪田里美、矢沢 仁、他 協力:花園大学演劇部、花園大学山越寮、妙心寺
主題歌:トミーとミーノ&かねてつおかげ様ブラザーズ(タイトル著作:仏陀電影)


ブッダマン メーキング写真集