16mm映画への挑戦。
 『100発100中』は唯一16mmFILMで製作された作品である。8mmFILMからのステップアップを前提とした実験作品であった。つまり16mmで作品を創った場合、どれほどの費用と手間がかかるのか‥、それを知るのが目的だったのである。したがってこの『100発100中』は『反射人間第一号』同様に予告編形式で製作されている。時間も5分以内と当初から決められていた。
  国際警察の天宮とメトセラ医療研究所研究員滝川。滝川は完全な拒否反応抑制技術を開発してしまったことから謎の組織に付け狙われるようになる。
『100発100中』の特撮 
 16mmで撮影された画面は、棒焼きの段階でさえ美しかった。8mmに比較して4倍の面積はわれわれに感動を与えてくれた。そこで検討された特撮であるが、今回は一番の目玉としてプールを使った水の特撮が決定された。悪役のドクター・ゲルマのアジとが南海の孤島という設定になったことから、孤島の模型とその孤島を攻撃する海上自衛隊の護衛艦の模型が製作されることになり、ただちに房田を中心とした特撮美術工房班が結成された。これは仏陀電影としては初めてのチーム編成による作業であった。

『100発100中』のポスプロ 
 16mmのポジフィルムによるカンパケを目指すには仏陀電影の機材はまったく不足していた。特に光学録音を行うシステムは外部に頼るほかに道はなかった。
 イマジカの担当者に相談したところ、イマジカの建物内に開業していた山田編集室を紹介され、ネガ編集を依頼することが出来た。さらにその山田編集室からの紹介で音声ダビングスタジオのイノベ・シネサウンドを知ることが出来た。
 現在のように素材をコンピュータに取り込んでデジタル処理するようになる直前の時期であり、アナログによる映像製作の現場を体験する貴重な機会となった。

特美は特撮用プールの製作まで受け持ち、すべての撮影用模型などがそろうのに約1年間を要した。試行錯誤の末にプールは京都の某山中で露天掘りで設置され、近くの川からポンプで水が給水されて準備が整えられていった。護衛艦は撮影用のレールを水底に設置し、模型をレール上で曳くことによって動きを表現している。 さらにゲルマの孤島の地上設備も模型制作され、火薬で爆破されている。今回は16mm撮影のためにベルハウエルの高速度カメラを中古で入手し、使用された。約6倍から8倍程度の高速度撮影が可能であり、出来上がったFILMは迫力満点であった。
●使用カメラ=BOLEX H-16 Reflex 、ベルハウエル16mm高速度カメラ 1995年度作品 Fujiネガティブ16o カラー 5分 モノラル。